風の声を聞く男②

私の父の名は『馬の友達』と言う。
馬の気持ちがわかるのだという。
実際にどんな気難しい馬でも父には心を許した。
父は自分の心に馬の心を投影させて理解するのだと言っていた。

父に尋ねたことがある。『馬の心がわかるなら、人の心はどうなの?』
人は言葉を持っている。だから人は言葉で心を書き換えてしまう。そして私に読むことができるのは書き換えた心だけ。
だから読めない。

父は生まれ持った力のために部族の皆から頼りにされて慕われているが、誰よりも孤独であった。
私は時々父の声に孤独を聞きとった。

砂漠の中での遊牧生活は、常に水を求めて旅をしていると言っても過言ではない。道標や目印の無い砂漠の中で水を探すのは簡単なことではない。川の流れや湖の場所すら決まった場所にはとどまってはいない。水を探すのはシャーマンの仕事だ。次にどの方向に進むべきか、星と部族の守り神にすがるしかない。

確か、10歳の秋だった。冬の放牧地に向けての旅の途中だった。南に移動して、あとは冬を過ごすためのオアシスを探すだけであった。探すだけと言ってもその途中で部族が全滅することも珍しいことではない。そしてその日の私は、吹き始めた北風の音がいつもと違うことに気付いた。

風の向こうの砂が重い

風の音がそんな風に聞こえた。風上に向かって走って行くとそこには水があった。部族の冬の放牧地はそこに決まった。
その夜、シャーマンに呼び出された。どうして水のありかを知ったのかを聞かれた。ありのままを語った私は、翌日からシャーマンのテントで暮らすことになった。その日から私は『馬の友達』の息子から『風の声を聞く男』になった。

母は私を生んだ後、この世を去った。だから私が居なくなった後は完全に孤独になった。
孤独であっても心は孤独ではなかった。馬たちと心を通わせ、馬たちに囲まれて満ち足りた暮らしを送った。

安心して父を捨てた(その後、名前も捨てることになる)私は、いつもシャーマンの影のように付き従う戦士『石の拳』の下で、格闘を学ぶことになった。


書いていると、次から次へと頭に浮かぶ。
頭に浮かぶままに書いていると、話がどこに移行としているのか全く分からない。
そして、忘れた夢がよみがえってきたのか、それとは関係のない創作なのかもわからない。
ロッドの示すところでは、思い浮かぶままに書くのなら、それは蘇ってきた夢である。
書くときに何らかの意図があれば間違いなくそれは創作である。
だから、とりあえず思いつくままに書き進めようと思う。
さてどうなることやら。
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それ、言霊だよ

かつきちが好きな作家に平井和正という人がいます
自称、「言霊使い」^^

彼の創作方法は「登場人物まかせ」
物語の着地点なんて知ったこっちゃ無い^▽^

書いている本人も結末どころか
このさきの展開すら分からず
ひたすら書いていく(時に脂汗を流しながら)

ペンだこと腱鞘炎で筆が握れなくなれば
日本製親指shiftキーボードでとにかく書きまくった人です^^

その彼がはまって、晩年まで大切にしていたのが
カスタネダのトルテックの世界でした
シャーマンの世界です

と、いうことで...
書いて書いて書きまくるのら!^^v

Re: それ、言霊だよ

ついつい、大阪人の性(さが)で話の節々でボケとオチを入れたくなるのですが、ここは我慢です。

大抵は寝ぼけているときか泥酔しているときに頭から湧いてくる手書きのプロットを作ります。
どちらでもない時は、たいていは頭から湧いてくるものの激流に呑まれているときです。

いずれにしても余分な思考がさしはさまれる恐れが無いときに書いていきます。
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一夢庵(M2)不便斎

Author:一夢庵(M2)不便斎
私の目の前の世界は、私が生まれてきた時に私に贈られたものである。
あなたもかつて世界を贈られたからこそ生きているのである。

私の世界は私が作り動かして行くのである。
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