言葉とイメージ

スティーブン・キングだったと思うのであるが、書きたいことや表現したいことがあり、それを言葉にすると矮小化されて品質が失われてしまうというようなことを語っていた作家がいたと思う。

大物作家でもなく、ブログで駄文を垂れ流しているだけの私のようなおっさんですらそのことを日々感じている。

氷を加熱すると0℃で氷が融けていき、完全に液体になった時点で温度が上昇する。そして100℃で沸騰し、気体となる。
この現象を分子レベルで考えるとき、私は言葉ではなくイメージで考える。誰でもがそうなのか、私が右脳優位だからなのかは定かではないが。
そして、ほんの1分もあれば私の頭の中では氷が融け、その後沸騰して蒸発する。その間は各温度での水の蒸気圧に応じて蒸発する水の分子も表現される。
それを言葉で説明することを考えると、おそらく加熱する前の水を表現するところから始めねばなるまい。

冷蔵庫で作った氷であればおそらくは結晶性の低い個体であることが予測される。従って、分子の配列は規則正しく並んだ小さな部分が乱雑に配列さえた状態であることが予測される。そして、水は常温で液体である物質の中では特異的に融解するのに大量の熱を要する物質の一つである。これは水の分子間に強い水素結合を有するために分子間に作用する引き合う力が強いためである。また、水の比重には特徴的な温度との相関がある。最も高い比重を示す温度が4℃であり、これも氷が融けていく過程での分子の動きに影響を与える(氷の上側で融けて生じた水は、氷よりも重いので氷の下側に移動する)。
ここまで書いても熱をかける前の氷をすべて言い表しているわけではない。氷はお皿の上に載せられたものなのか、容器の中で凍らせたものであるのか。空気や不純物をどれだけ含んだ状態であるのか(水は特異的に溶解能力の高い物質で、純粋な水を作るのは極めて難しい。純粋な水を作っても、次の瞬間にはかなりの空気を溶かし込むのである)。ほかにも表現しておくべきことは山ほどある。


そして、私はこれ以上書き並べるのに疲れたし、これを読む立場になってみると私以上にうんざり、またはげんなりしているものだと容易に想像がつくのである。だがしかし、まだ加熱すらしていない。加熱を始める前にその熱源の種類とどれだけのエネルギーを供給する能力があるのか、加熱しようとしている場所の気温、湿度、その他の条件も明記する必要がある。

ブログの記事を書いているとき、ご依頼いただいた鑑定結果をお伝えするときに、言葉の限界を感じてもどかしくなることが、少なからずある。
そして思うのである。筆力がほしい。できるのなら私の頭にUSBメモリをぶっ刺して、データファイルをコピーし、それを表示するソフトがほしい。
強く思うのである。一方で、自分の表現力を磨こうなどと、生産的なことを思わないことがそもそもの問題なのかもしれないが。
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相似象の

著者の宇野女史はそのことを何度も書いています。

「言葉では伝わらないのだが、しかし伝えるには言葉しかない」

という意味のことをです。
完璧は無理だし、言葉を受け取る側の思考力などによっても
結果は違って来るのだから、私達はとりあえずは言葉を使って
伝えることをするしかない。

Re: 相似象の

そのことを理解しているかどうか。
それだけでも大きな違いがあるのかもしれませんね。
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一夢庵(M2)不便斎

Author:一夢庵(M2)不便斎
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