硬いと柔らかい

かなり昔のことであるが、微粉砕の研究を命じられたことがある。
数百ミクロンの粒子を数ミクロンの微粒子に粉砕するのであるが、そこで考えるべきことの一つに『粒子の硬さ』というものが挙げられる。当然のことであるが、硬いものは粉砕されやすく、柔らかいものは粉砕されやすい。
考えるまでもないことである。

実際にやってみると、『硬い/柔らかい』というのは単純な一次元の指標ではないということである。
職場での報告会でこのことを説明しても理解する人はほとんどいなかった。
何人かが、勝ち誇ったように『あなたの評価方法に不備があるんではないですか?』などと畳みかける。
プライドは高いが知性の低い連中である。
ブチ切れた私は、たまたまポケットに入っていた消しゴムを取り出した。

この消しゴムとそこの花瓶(ガラス製)と、どちらが硬いか?
そう問われたら、おそらくほとんどの人が花瓶と答えると思います。違いますか?
では私がこの花瓶を壁にたたきつけたらどうなると思いますか?
たぶん割れると思います。やってみましょうか?
ではこの消しゴムを同じ運動エネルギーで壁にたたきつけたら割れますか?
その上で、花瓶と消しゴム、どちらが硬いか、一概に言えますか?
そういうことです!
その『硬い』頭でも、それぐらいは理解できますよね!?


こういうことを言うので、全職場では多くの人から嫌われていたのである。

では、ここで改めて考えてみると、ガラスの花瓶と消しゴム。
どちらが硬いのか?
そこにはいくつかの尺度が潜んでいるはずである。

こうした経験を通して1次元でとらえていたものが2次元、3次元と次元を上げていくのである。

だからどうということではないのであるが、当時は『面倒で難解な仕事を押し付けられている』と感じていたのであるが、今から考えるとこういう面倒なことを通して、考えて深く追求したことを言葉に置き換えるということに対しての経験を積む機会となったのである。
よくブチ切れていたのであるが、『すべての経験は、学びの機会』ということが理解できていればもっとよく学ぶことができたのでは?
そう思うと惜しいことをしたと思うのである。
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