師匠②

『できればバースのほうで』そう思いながら、吹奏楽部が新しいほうを希望するように仕向けようと考えを巡らせている時に、師匠から『これはお前らがやることになっている』と言われた。

                    

かまやつも吹奏楽部も一言で凡庸である。私と相方はどちらもが考えて困難を乗り越える力がある、師匠が判断した結果である。
高く評価されることは嬉しいことではあるが、研究の実戦経験が皆無な学生に、ろくに情報が無いようなテーマを与えるのは無茶振りである。

おかげで、1年間を実験装置の改良と基本となる条件設定に費やしてしまったのであった。
当時の私の頭では、成果を発表するということは、きちんと実験をやってデータを取り、その解析結果をまとめたものを報告することであった。だから、『装置の改良を進めて、文献情報から得た条件とは全く異なるところに適切な条件があった』ということはただの失敗事例でしかなかったのである。

師匠の指導を受けながら、1年間のデータをまとめて暗い気持ちで研究発表の場に臨んだ。
思いのほか、先生たちは関心を示してくれた。質疑に網膜受け答えができたのは自信につながった。
そして、予想外の高評価を受けることができた。

当時は、理由はよくわからなくとも高評価を受けたことが嬉しかったのである。
今になって振り返ってみると、その時に得た高評価よりも重要なものを受け取っていたのである。

自分で考え自分で確認すること

その経験である。
参考にするものが無いとき、拠り所としていた物が崩壊したとき、確信は無くともとりあえず自分を頼ることができるのは強みである。

                    

最近、昔のこういうことを時々思い出すのである。
おそらく、このあたりの経験が自分の基礎となっているのだと思う。
そしてそのことを、しっかりと意識する必要があるのだと思うのである。
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