師匠①

私がいたころの高専のカリキュラムでは、最終学年の半分が卒業研究に充てられていた。
私は化学工学系の研究室に入ったのであるが、それは希望していたものでは無かった。
別の分野が得意であり、好きであり、極めたいと思っていたのである。
そして、その分野の研究室に入ることを熱望していたのである。

そこの教授は気さくな人で、『ここに入ると楽できそうだ』という印象があったようである(実際は・・・)。
定員4人のところ、5人の希望があった。私以外の4人は『楽そうだ』、『仲のいい友達と一緒の研究室に入りたい』などの動機であり、真剣に考えていた私は彼らが許せなかった。結局、じゃんけんで決めることになり(この点も許せなかった)、私は一発で負けたのである。
ザマ見ろ的にからかってくる奴がいたので、『スカスカの腐れ脳みそで、せいぜい頑張れよ』と捨て台詞を残した。
頭にきたらしく、私の胸ぐらをつかんで殴りかかってきた。
その日の午後、彼は保健室で過ごすことになった。
彼には申し訳なかったのだが、機嫌が悪かったのである。

化学工学は、難しい計算が付きまとうので人気のある科目では無かった。
そして、私は人気のなかった師匠の研究室に入ることになった。
研究室のメンバーは師匠(教授)、講師の先生(以下、バース;ひげが・・・)、私、相方(成績は中ぐらい、独力で表計算ソフトを1週間で使いこなす)、かまやつ(ムッシュかまやつ似。成績中の下)、吹奏楽部(成績中の上、自分が最も優秀と思っている)の6人であった。
研究テーマは2つ。一つは前年からの継続テーマで、担当はバース。残りは新しいテーマで、報告例が速報1報のみというもの。
チーム分けは私と相方、かまやつと吹奏楽部に決まった。
『できればバースのほうで』そう思いながら、吹奏楽部が新しいほうを希望するように仕向けようと考えを巡らせている時に、師匠から『これはお前らがやることになっている』と言われた。

(続く)
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一夢庵(M2)不便斎

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