今朝見た夢の断片

一部分しか覚えていないのである。

学校か事務所のようなところで大掃除をしている。
そこが閉鎖されるので、すべての物を片付けているところである。
スチール製の書棚の掃除をしていて、古い辞書と数冊の書籍、それと古びた実験器具が入っているのを見つけた。
私の持ち物であったが、すべて捨てた。
扉は手垢のような汚れがこびりついていて、ガラスクリーナーのようなものでふき取っていると、汚れは何層にもなっていて、走ごとに落書きがされていた。汚れが落ちて塗装面が出てきたら、そこにはいくつか4コマ漫画が描かれていた。
ろくに読まずに無造作に消すと、塗装もはがれて、金属の光沢が目に入った。その時から、何故かその内容が気になりだした。
その時から、ついさっき捨てた私物が惜しいような気がしてきた。何か、大切なものを捨ててしまったような喪失感が心に広がった。


目を覚ますと、いろんなものを失くしてきたような思いにとらわれ、無性に悲しくなっていたのである。
生きるのがつらく思えるぐらいにである。

私は物惜しみするところがあり、物に対する執着は強いのである。
『そろそろ、そこを手放そうか』
そういわれたような気がしたのである。
落ち着くにしたがって、ハッキリと目が覚めるにしたがって悲しい気持ちは遠のいていった。
物と別れた時、素直に悲しみを感じ、別れを告げること。
そして、喪失感は時とともに薄れ、やがては新しいものとの出会いの喜びに置き換えられるのである。
別れの時にしっかり悲しんでおけばよいのである。

そして、ふと幼いころのことを思い出した。
私には一つ違いの兄がいて、私にちょっかいを出しては私を怒らせ、泣かせていた。

どこかの遊園地に家族4人で出かけた時のことであった。
両親が売店でボールを買ってくれた。
発泡スチロールのボールで、表面を色のついた紙のようなものでコーティングしてあり、フェルトのような手触りの物であった。今もはっきり覚えている。青、緑、赤、黄、紫、茶色の6個がセットになっていて、ネットでできた袋に入っているものであった。

『二人で半分こしなさい』

母が言った。
いち早く兄はきれいな色(青、赤、黄)を独占し、残った地味な色(緑、紫、茶)を私に押し付けた。
その中で、緑は一見地味な濃い色であるが、私はその色合いが好きだと感じていた。
遊園地から帰った後も大事にしていた。
3つ並べて眺めていたのである。『宝物』であった。
兄は、ある日その遊びを思いついた。
そのボールを水に濡らすと色が落ち、斑になる。
さらに水に浸けると表面のコーティングがボロボロになって落ちる。
面白い。
それで自分の3つのボールすべてを水に浸けてしまった。
それで飽き足らず、私のボールも水に浸けて台無しにしてしまったのである。
母はそんな安物のボールが『私の宝物』であったことなど知る由もなく、そんなことぐらいで激しく怒り、泣く私がうるさくて、兄よりも私が怒られてしまった。
台無しにされたボールを捨てられずにいたが、気が付けば母に捨てられてしまったのか、どこにもなくなっていた。


たぶん、その頃からだろうと思う。自分の持ち物が形を変えてしまうことが怖い、悲しいのである。
あの時の悲しさや怒りが心のどこかに小さな棘として刺さっているのだろうと思うのである。
あの時の涙を流す自分を思い浮かべて抱きしめてみた。
涙を流しながら体を固くして、何かをこらえていた。
同じ悲しみを共有する私は、それをいやすための適切な言葉を持たず、ただただ抱きしめていた。
一緒に泣いてやればよかったのかも知れない。
だが、時として涙は適切な時には出てくれないものである。
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