ライバルチームのMさん

学生の頃、ハンドボール部に所属していることは何度か書いたと思う。
いつも地区優勝を争っていたライバル校のエースMさんは私のあこがれであり、目標だった。
その動きは『華麗』そのものだった。

地区大会が地元で開催されたのは、私がレギュラーに定着した年のことだった。
Mさんは最終学年であった。
地区大会は5チームの総当たり。上位2チームが全国大会に進出する。

この年も全勝同士で互いの最終戦で対戦した。
Mさんと私は互いをマークしあうポジションでプレイしていた。
Mさんにふり切られないように必死のディフェンスをし、Mさんとは対照的な泥臭いオフェンスで奮闘した。


新チーム発足時は戦力ダウンが深刻であった。
そのことは他所に、私はMさんとの対戦しか頭になかった。
私は下手くそだったので、身体能力で勝負するしかない。そう思って努力してきた。


試合の結果は引き分けであった。
私は、気力・体力ともに使い果たしてへたり込んでしまった。
そこにMさんが来た。
『参った。完敗だったよ』
Mさんが差し出した手をしっかり握った。

その左手の力強い感触を今でも忘れていない。
この世界では、努力で実現できることは少ないかもしれない。
一方で、真剣に努力しなければ手にすることができないものもある。

疲れた時には左手を見る。
先週も見た。
じっくり考えて、『まだ引き際ではない』と判断して、左手にあの時の感覚を思い出すのである。
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