溶解度

溶解度という数値をご存じだろうか?
中学あたりの科学で習ったと思うのであるが、あまり日常的に接する言葉ではない。
ある物質がある溶媒にどれだけ溶けるかを示す数値である。
ある物質、『material(物質)』の頭文字をとってMとする。
余談だが、『物質』の頭文字をとって『物』あるいは『ぶ』とするとどうも落ち着きが悪い。英語に対するコンプレックスのなせる業であろうか?
冗談はさておき、Mは、25℃において、100mLの水に10mg溶けるとする。そしてその時の体積が100mLであるとする。
するとMの水に対する溶解度は10mg/100mL-H2Oであり、0.1mg/mLとなる。

溶解度は通常、温度が高くなると増加する。
そして、温度と溶解度の関係はvan't Hoffの式という数式で表わされる。
関数形がわかれば、測定値が3つあれば関数が確定する(ここでは測定誤差は考えない。面倒なので)。
ある程度の誤差を許容するなら、比較的測定しやすい室温付近での溶解度データを3つ測定すればあとは得られた関数で計算可能である。

さて、少し面倒なのは2種類の溶媒A、B(有機溶媒:アルコールとか)を混合したとき、AとBの比率と溶解度の相関である。
余談ではあるが、AもBも何の頭文字でもない。言うまでもないが。

さて、Mは溶媒Aにはよく溶けるが、溶媒Bにはほとんど解けない。ちなみに0.1mg/mLという水に対する溶解度はほとんど溶けないといえる。

経験的に、任意の温度において有機溶媒であるA、Bを混合したものに対するMの溶解度はMが溶け易い溶媒Aの溶解度が最大値であり、溶媒Bの比率が高くなるにしたがって溶解度が低下し、溶媒Bの溶解度が最小値となる。AとBの比率と溶解度の関係はやってみないと判らないのであるが。

それが溶媒Aと水を混合した場合というのはさらに厄介で、ある割合で溶媒Aに水を加えた時の溶解度が最大値を取ることも珍しくない(Mは水に溶けないのに!である)。

昔、こういうことがあった。
ある物質S(substanceの頭文字)はエチルアルコールには溶けて、水には溶けないことがわかっている。この性質を利用して再結晶をしたい。このような命題があった。
Sを溶かすのに1gに対して10mLのエチルアルコールが必要で、十分な結晶を出すにはその10倍の水を加える必要がある。
結晶をろ過する時点で、合計110mLのエチルアルコールと水を加えることになる。せめて70mLぐらいにできれば理想である。
とりあえずエチルアルコールと水の様々な比率の混合液を作り、それらに対する溶解度を測定した。すると、確かにエチルアルコールの溶解度が最大なのであったが、1:1で混合した液に対する溶解度は意外に高く、Sを1g溶かすのに12mLが必要であることがわかった。このことを利用すると、エチルアルコール6mL+水6mLに溶解して、54mLの水を加える、計66mLの溶媒で十分であることがわかったのである。それを会議で報告したところ、『溶かすのに溶解度を下げてどうするのだ!』などという批判を受けた。
どうも溶解度の低い水を加えた状態で溶解しやすいという状況がうまく飲み込めなかったようであった。そして、最後まで執拗に反論していたのが、当時私が目標としていたベテラン技術者であった。

そして、ふと思ったのである。新しい情報の脳に対する溶解度は何らかの数値を取るのであり、年齢と何らかの相関関係を持つ。たいていの場合は年齢の増加に伴い、低下するのであろうと。
さらに、できることなら溶解度の低下を極力抑えつつ齢を重ねていきたいものだと思ったのであった。
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