言語化できないの極み その2

私の数年後に大学院を出て入社してきたT君は去年から管理職に昇進したのであるが、長年仕事の上で協力し合っていたのである。

職場では数少ない化学工学の『使い手』として一絡げにされていたという側面もあるが、彼はなかなかの手練れである(入社後に独学したそうだ)。

実験室で仕上げられた合成法をテスト用のプラントで実施するとき、私とT君を含めて数名が『最強チーム』と呼ばれていたが、主に実践経験を売りとするメンバーにあって、T君は異彩を放っていたのである。彼は頭が柔軟で回転が速く、飲み込みも良い。私と二人で理論と現実的な技術との融合を進めていたのであるが、その後20年余りにわたって腐れ縁は続いているのである。


彼は頭の回転に言葉が追い付かないタイプで、複雑な合成法に設備を対応させるために二人でプラントに手を加えているときなど、『M2さん。あれを何してもらえますか?』と言うのであった。


『あれとは何で、どういう行動をすればいいのかな?』

『あ!すみません。○○を××して…』


3回に1回ほどはド肝を抜かれるようなアイデアが飛び出すので楽しかったのである。


こう言う私も最近の傾向として、思考を言葉に変換するスピードが落ちていることを実感するのである。

『何を何する』とは言わないが、『あのーーーーーーーー』とか『えーーーーーーーっと』などの接頭語(?)がやたらと多いのである。

それは恐らく加齢が原因ではないかと推測されるが、定かではない。

現時点までの統計的なデータが無いので、傾向がはっきりと確認されるまでには20年ほどかかるのである。いや、決して加齢による衰えを認めたくないのではないのである。


たぶん。

自信は無いが。

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