回文
昔、新聞を購読していた頃のことである。
20年近く前である。ちなみに今は新聞を読まないのである。
新聞の広告欄に投稿されていた本の宣伝で、回文の本が紹介されていた。
その例文として、『野茂のもの』と言うのがあり、衝撃を受けたことを覚えている。
回文をネタにするお笑い芸人もいるが、好きである。
『女子コンパでパン粉所持』とかそういうものである。
今日の晩飯はカレーライス。
その食材の買い出しの時のことである。
私の担当は運転手件ポーターであり、黙って家内について歩くのだが、頭の中でいつも無駄なことを考えているのである。
シーフードのカレーにしようということで、魚介の売り場へ。
イカを手に取った家内を見ながら、『イカかい?』と思ってニヤニヤ笑ってしまったのである。
さぞかし気持ち悪かったことだろうと思う。
視線を移すとそこにはホタテが。
『貝以下』と言う言葉が頭をよぎる。
たいして面白いわけではない。
しかし、ついついニヤニヤしてしまったのである。
たわいのない日常の風景である。
それにしても『貝以下!』。
そんな風に罵られたとしたらどうすれば良いのだろう。
そもそも、貝以下のいったい何だというのだろうか。
無駄に気になって仕方なかったのである。
『貝以下のイカかい?』
こうなると止まらないのである。
さらに言えば回文ではないが、それはどうでも良いのである。
すっかり暴走していたのであるが、少し疲れているのかもしれない。