ウルトラ一家 ⑤

夢の中で、私は地球で調査活動をしていた街にいた。

そこは、既存のどんな社会とも異なる社会で、簡単に言えば独裁政治であった。

しかし、独裁者と言う者はいないし、一党独裁するような政治組織もない。

強いて言えば『みんな』が独裁する世の中であった。


そこに住む者は自我意識が無く、『みんな』が決める方向に自然に流されていく。

そういう世界であった。

そしてそこでは当然ながら反対者はいないので、見方によれば平和な世の中である。

そして、不気味で恐ろしい社会である。私にとってはであるが。


街を歩いていると、住人達(中には調査活動の中で『ご近所』として知りあった人や友人となった人もいた)が私を見てひそひそと話し合っているのに何度か出くわした。


しばらく歩いていると、警察官が近づいてきた。

気が付いたら囲まれていた。

警察官の中には顔見知りの巡査もいたが、彼らには一様に表情は無い。

一人が『所まで同行願いますか?』と声をかけてきた。

本能的に危険を感じた私はとっさに逃げ出した。路地に逃げ込んだとき、何か霧のようなものに包まれた。ありきたりな展開だが、気を失ってしまった。


気が付けば、マンションのようなところで寝かされていた。

そこにいた男が言った。


『ここでは自我を持つことは危険視されるんだ。平和を乱す危険分子と見做される。』


突然、爆音とともに壁が崩壊した。

天井が屑手落ちてくる。


そこで目が覚めた。

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1. 独裁というより

ハチとかアリのような
社会性昆虫を連想してしまった

あれも女王はいるけど
卵産んでるだけだし^^

一匹一匹に自我はないだろうし

2. Re:独裁というより

>かつきちさん

そんなものかもしれません。
要は、私たちの全く知らない社会システムによって人間の意志が機能しない社会と言うものを表現しようと思ったのですが、何分、筆力が乏しいもので。
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一夢庵(M2)不便斎

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