矜持の問題

麻生元総理が当時、定額給付金を高所得者が受け取るかどうかについて『矜持の問題』と発言していたが、『矜持』とはプライドと言う意味であり、得意げに意味を取り違えたという人がいたことを覚えている。


個人的には、あながち間違った使い方とは思えないのであるがどうだろうか。


私は、今週から自分のが担当する以外の研究テーマの助っ人として、危険性の高い物質専用の建屋で仕事をしている。建屋の中は普通の科学の実験室であるが、その建屋の目的は『他から隔離する』ことである。入退室が面倒なのである。

その為か、ゴミ箱の始末なども滞りがちであるのは残念な限りである。

私がそこで仕事を始めた時もゴミが残ったままであった。そして、前に使った人が残したのか、さらに前の人なのか判然としないのである。

一緒に仕事をするのは年ほど前に転勤してきた人である。研究者として優秀で、人柄も良いのであるが、泣き言が多いのが欠点である。そして、雑用がとにかく多いうちの研究所についてもよく泣き言を言う。


彼は、『誰が残したかわからないようなものを自分たちが片づけるいわれはないですよ。M2さんもそんな面倒なことしなくていいですよ』と言う。

私は片づける手を動かしたまま反論する。

『でもここで仕事をする以上はゴミは出るよな。それをいちいち着替えて外に捨てに行くの?』


それに対して、ゴミ箱にごみを捨てるのは当然だと言い、でもこれまでのごみを出したやつが今あるごみを捨てるのが当たり前なので自分たちが捨てる必要はないと言い張る。そうだとすると、自分たちが出したごみだけは分別して捨てるのか聞くと、そこまではしないらしい。


『だったら、結果的にゴミを残していった無責任な奴らと何が違うの?』


その問いに対する答えは持ち合わせていなかったようだ。

確かに後始末が不十分で、それで平気なのは褒められたことではない。しかし、理由はどうあれ、それと同じことをする。そこまで自分を下げたくない。要は矜持の問題だと言いながら片づけを終えた。


そして思う。大の大人がする会話かと。内容的に小学生の放課後の掃除レベルのことである。

先が思いやられるのである。

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